本文へ移動

クレイン・トータス新聞

トータス新聞1面記事

「アート&ケア」クレイン・トータス・げんき館

2023-07-01
新聞
 クレイン・トータス・げんき館をご利用されている皆さんには、各々の道を歩まれ、様々に人生を生きてこられました。施設では皆さんに、心身の疲れを癒していただき、これからも希望のある「安心と生き甲斐」を共にできるよう目指します。
城下の名残の路地が通り、県循環器病センターやクレイン・トータス・げんき館(以下CTG)が、社会的環境を作っています。一方、海抜一00メートルの台地上の鶴舞は、四季の訪れに敏感な自然環境が残って、ふと人生を考えるような人には、たいへん住み心地の良いところです。そのような鶴舞にピッタリのCTGでは、立地を生かして、ご利用者の納得、ご満足を得るための工夫を色々やってきました。
 一例を挙げさせてもらいますと、数年前に遡りますが、ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)の初代GM祖母井秀隆さんのサッカー教室がありました。職員の子弟や地域の子どもたちを対象に毎週末トータス広場で行われました。その仲間たちで、げんき館の林の中でのキャンプもやりました。
 子どもたちの歓声は、ご利用者の心を癒しです。元プロボクサーの坂本博之さんを招いてのボクシング教室も盛況でした。地元、鶴舞出身の浪曲師 春日井梅光さんの実演も、懐かしむ人たちで北ホテルがいっぱいになりました。
 又、西山庭園では、創作凧で世界を飛び回っていた高橋忠友さんによる、凧づくりと凧上げが行われました。空が隠れるほどの楢の大木の下で、涼しい風を受けて凧が、子供たちに引かれていました。樹周囲3メートル程もある楢の木が、この2~3年間、ナラノオオキクイムシのために枯れてしまいました。お金をかけて予防や復活に努めましたが、残念です。市原市の大切な資源と考えて守ってきました。

 この4月、5月、6月の3ヶ月は、CTGご利用者と職員による共同制作展が、西山庭園画廊で開かれました。日頃の施設での制作が、施設を離れた画廊という場所に展示されると、改めて新鮮で立派な作品に見えるようです。制作者の本人は勿論ですが、ご家族の皆様も目を見張る光景に出逢いました。

4月 クレイン入所者作品展

 1周90メートルのクレイン回廊では、歩行訓練をしながらも、長い壁面の作品群や掲示物が見られます。コロナでどこか暗く、重苦しい空気に覆われるところ、明るさを保ってくれたのが、回廊の作品たちです。閉塞状態の中、壁面は春夏秋冬の風が漂い、懐かしさや楽しさを蘚せてくれました。
 このような作品に少しづつ手が加えられ、化粧直しが施されたように新しく画廊という空間に展示されたのです。画廊展示には新しい工夫が生じて、共同作業者の職員たちも新たな展開に目を開き学習しているようでした。

5月通所リハビリテーション作品展

 ゴールデンウィーク初日、クレインリハ職員とデイケア職員によって画廊の展示替えが行われました。会場を生かした新しい要素が加わって、施設内とは異なる活力に満ちた会場になりました。制作することは新しい発見であり発明で、宇宙やミクロ世界の科学者のそれと変わりません。そこには自分で獲得できる歓びがあるのです。
 作品の内容から見てみると、入所者の大人しく、優しさを感じる作品に比して、デイケアの方々の作品は力強く、迫力が増していました。入所と通所の違いなのかもしれませんが、私自身、年齢によるエネルギーや集中力の変化に気付きます。職員側からみれば、一生懸命にご利用者に対峙していることで、意図的に差をつけられることではありません。恐らく、目に見えない、計算不能な自然の力 -ピュシス- の働きなのでしょう。何からも自由であった、あの子どもの時のように、上手下手、器用不器用に関係なく開放されて制作されたらどんなに面白いか。禅が求める「無」のようにたいへん難しいことですが、楽しんで欲しいと思います。

6月 鶴舞温泉げんき館作品展

 CTGご利用者と職員のコラボレーションシリーズ、最終の6月展は、ちょっとばかり緊張の雰囲気でした。羞恥心や競争心、地位や名誉欲もある自意識過剰なくらい、能力が備わっているのがげんき館です。これらは全て生きるエネルギーとなっているもので、良いとか悪いとか道徳的に判断しても仕方ないことです。
作品の特徴は、個々の力量が光る多彩な展示となりました。今回も女性の作品が圧倒的です。繊細で集中力を要する工作折り紙「鶴」、筆ペンでなぞる鳥獣戯画、難易度の高い複雑なぬり絵など挑戦の意欲、集中力などは、げんき館での制作であり、げんき館リハビリのレベルはたいへん高いと注目に値します。
 昔とった杵柄で、裁縫や刺子の技術を活用した手芸作品。ビーズのアクセントをつけたお守りになるストラップ。それらが宝石箱のように大切に入れられている器、ケーキか刺身の器かもしれないが見事な変身。新茶「若竹」「春の小川」の懐かしさを感じさせる書。サントリーストロングゼロの動く卓上置物。器用というだけではできません。年々衰えていくと言われるユーモアやアイデアのセンスが生かされた作品の数々、一般の方々にも一見の価値が十分にあります。
 圧巻は爪楊枝アート。ご利用者多数参加で1年掛りの大作です。画廊に入ると正面の壁に折り紙、折り紙工作の組み合わせによるアーチの中にこの大作が置かれています。重量のために壁には展示できなかったのでしょうか。爪楊枝6~7万本が使われたことからも並みの集中力では完成に至らなかったのでしょう。ご利用者の頭と手と足と職員との記念すべき協働作品です。永久保存の価値を有しています。
 げんき館からのんき館に続く長い廊下、頭脳の部屋、食堂、談話室、露天風呂、それらの中から生み出されるエネルギー。
 自ら関わった作品が画廊と言う新しい場所に展示され、驚きを持つ鑑賞。クレイン・トータス・げんき館の「心のケア」が脈々と息衝いています。そして介護と言う仕事は単に使命感や責任感だけではモチベーションの持続は難しく、より専門性の深まりが求められます。一方介護とは生活を共にして一緒に生きていくことが仕事となるので、そこには楽しみや喜び望みさえ持てて明日に向かって行くのです。CTGも一緒に‼
 今回「トータス開設16周年」の記念作品も展示されていました。理事長として皆様に心から感謝申し上げます。

社会福祉法人 鶴心会
理事長 三好 敏弘



医療法人社団得心会
〒290-0511
千葉県市原市石川1078
TEL.0436-88-4500
FAX.0436-88-4002
・介護老人保健施設クレイン
・クレイン通所リハビリテーション
・クレイン訪問リハビリテーション
・鶴舞訪問看護ステーション
 
社会福祉法人鶴心会
〒290-0512
千葉県市原市鶴舞559-1
TEL.0436-50-6161
FAX.0436-88-4010
・特別養護老人ホームトータス
・トータスデイサービスセンター
・デイサービスセンター鶴舞温泉げんき館
・トータス訪問介護ステーション
・市原市地域包括支援センター・トータス
・トータス居宅介護支援事業所
 
TOPへ戻る