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クレイン・トータス新聞

トータス新聞1面記事

新型コロナウイルスとの共生

2023-06-01
新聞
 2019年12月に初めて新型コロナウイルスが確認されてから約3年半になりました。
 2020年1月より世界的な流行が始まり、日本に於いても爆発的な感染が発生、連日新規感染者数や死亡者数が報道される事態となりました。感染者数の増減が繰り返されその都度行動制限が繰り返され、感染予防商品の不足といった事態も発生していました。トータスに於いても施設内の徹底した消毒や換気の実施、職員の定期的な健康チェックやマスク着用、手指消毒の実施、PCR・抗原検査の実施、施設内でのワクチン接種、各種行事の中止若しくは縮小、ご家族の面会制限といった対策を取らさせて頂き、ご利用者とご家族のご協力を頂く事で、今日まで対応をさせて頂いた次第です。その後、ワクチン接種の開始や治療薬の開発が進んだ事で、新規感染者や死亡者数の抑制が図れ、2023年5月8日より政府は新型コロナウイルスを感染症法上の位置づけを2類から5類に変更する事となりました。では2類から5類に変更された事によりどういった部分が変わっていくのでしょうか。
変化がある点として、従来求められていた感染者の隔離期間が5日間に短縮され、濃厚接触者については外出自粛が求められなくなります。また、従来コロナ感染の疑いがある場合は特定の医療機関のみの受診を求められていましたが、5類移行後は幅広い医療機関での受入れが期待されています。受診費用についても従来は公費にて対応され自己負担は発生しませんでしたが、今後は通常の受診と同様に健康保険が適用され1~3割の個人負担が発生するようになります。このように、5類へ移行される事でコロナ感染症は特別な感染症ではなく季節性インフルエンザと同様の一般的な感染症であり、生活上の様々な制約が取り払われる事でコロナ発生前の生活を取り戻していく事が期待されると思われます。実際に、5月8日以降、街中でマスクを着用していない方も増えてきているように感じ、それ自体はコロナ前の生活を徐々に取り戻そうとする動きのようにも思われます。
 以上のように、5類への移行は様々な行動制限の撤廃若しくは縮小により、社会全体の活動活性化が見込まれ、それに伴う経済活動の向上が期待されると考えられ、コロナ下において低迷していた社会、経済活動が今後は活性していくものと思われます。しかし、高齢者施設の職員という観点から考えますと、この5類への移行はあくまで法令上のものであると考えられます。現状、感染者数の増減は日々推移しており、この原稿を執筆している現在でも東京等の大都市圏での感染者は増加に転じてる現状が見受けられます。また、様々な変異株が発生している状況から、現在でも基礎疾患のある方や高齢者にとっては危険な感染症である事に変わりありません。もちろん、同じ5類に位置するインフルエンザも危険な感染症である事に変わりはありませんが、新型コロナと比較すると、罹患した場合の治療法が確立している点や流行する時期がある程度判明している点からも対応が可能と思われますので、未だに確実な治療方法が模索されている点や流行期が特に定まっていない点を考えますと、新型コロナ感染症は怖い疾病であると考えられるのではないでしょうか。そのような観点からも、この5類への移行は高齢者施設関係者や医療機関関係者等にとっては手放しで喜べるものではないと思います。
 では、5類への移行と行動制限の撤廃に関して私自身が反対の立場かと問われますと、決してそうではありません。実際に、今回の意向に伴いトータスに於いても面会制限の見直しを図り、ビニールカーテン越しの短時間ではありますが直接面会が可能になったり、行事や地域交流に関しても可能な部分から徐々に再開を図るといった動きが始まっており、約3年にわたって停滞していた様々な活動を再開出来る様、現在準備を進めているところです。特にご利用者に対しては、長期間にわたり直接の面会や施設外へ外出を制限してしまっていた状況であり非常に心苦しく思うところがありました。今回の行動制限緩和により、少しでもコロナ前の生活を取り戻す事が出来れば幸いであると考えております。
 では、今後施設においてはどのような対応が必要になるでしょうか。私が考えるのは、新型コロナの危険性を十分に理解しつつ、対策を継続する部分と緩和が出来る部分を明確にし、コロナと共生を図る事が重要ではないかという事です。前述の通り法令上5類に移行したとはいえ、コロナの感染力が極端に下がっている訳ではなく、感染した場合の症状も個人差はありますが軽くなっている訳ではありません。また、今後も新たな変異株が出現し爆発的な感染拡大が起こる可能性も無いとはいえません。そのような中で、我々施設職員はご利用される方の安全面を考え、第一に感染を防ぐ事、そして第二に感染が発生した場合は拡大を防ぐことを最優先に考え行動する事が必要であると考えます。その為にも、職員については現在実施しているマスクの着用・手指の消毒・日々の健康状態チェック・抗原検査、ワクチン接種・施設内の消毒や定期的な換気を今後も続けていく必要があると思われます。また、面会等の対応についても今現在行っている方法(ビニールカーテン越し・マスクの着用・面会時間を10分程度・少人数での面会)を継続させて頂きたいと思います。そして、以上のような感染予防および感染拡大防止対策を取りながら、縮小していた行事の一部を再開させ、コロナ前に行われていた行事内容に少しでも近い規模で行っていきたいと思います。行事活動となるとどうしても大勢の方が一か所に集まってしまう為、感染のリスクを考えるとなかなか踏み出せない部分はありますが、それでも前述の対策を行う事でそのリスクを軽減し、少しでもご利用者の楽しむ場面を作りたいというのが、トータス職員全体の希望でもあります。その為にも今現在行っている対策を継続し、新たな感染者を発生させない事、また万が一感染者が発生しても感染拡大を防ぐ事が必要になり、そのような活動こそがコロナとの共生を図るという事になるのではないでしょうか。
 以上のような新様式の生活や活動を行っていくためには、今後もご利用者、そしてご家族のご理解とご協力が必要になってきます。とくにご家族に対しましては未だに面会の制限や外出泊の制限といったご不便をお掛けしています事、大変申し訳無く思っています。しかし、何よりご利用頂いているすべての方の安全を守るという観点から改めまして施設の対応についてご理解とご協力を頂ければ幸いでございます。そして万が一、再度の爆発的な感染が発生した場合は施設での行動制限がまた強くなる可能性もあります。その際もどうか施設の方針についてご理解とご協力を頂ければと思います。
 トータスの職員は皆、当法人の理念「安心と生きがい」をご利用者に提供できるよう、日々の業務に当たっています。現在の状況は「安心」と「生きがい」をどうバランスよく提供できるか非常に難しい部分はありますが、多くの方々のご協力を頂きながら、今後も感染症対策とご利用者の楽しみ、どちらも疎かにする事なく、全職員が一丸となりコロナとの共生を図れるよう努力していきたいと思います。重ねてになりますが、今後とも皆さまのご協力をどうぞ宜しくお願い致します。

特別養護老人ホームトータス
相談室長 林裕樹


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