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クレイン・トータス新聞

トータス新聞1面記事

The Spring ~出会いと旅立ち~

2023-04-01
新聞
 今年も梅の香気に誘われ、千葉の梅園を訪ねた。毎年のようにと言う訳ではないが、時折楽しませてもらっている。早咲系統の花が6、7分と言ったところだった。玉牡丹の花色は白く、大盃は赤味掛かった色だ。色合いが青味を帯びているのは青軸で、淡い桃色は思いのままだ。全部で30種以上もあるだろうか。その外の梅花もそれぞれが可憐さを覗かせたり、中には艶っぽく見えるのもある。その様は百花斉放の如くであり、梅花好きにはもって来いの園であろう。何と言っても梅は春寄せの先駆けだ。菅原道真の名句「東風吹かば匂いおこせよ梅の花」が脳裡をよぎるのもこの時期だ。梅が出れば次は桜だ。この花ほど、多くの日本人に親しまれ、歌や画を初め、限りない程様々なジャンルの題材となっている花はないだろう。桜木の種類は現在100種以上が確認されているとのことであるが、どの花をとってもその花姿には魅了される。そして桜花が咲き乱れてくると、本格的な春入りを感じ、まさに「ザ・スプリング」となる。今の私にとって、春ほど季節感に酔い痴れる時季はない。夏の暑さや冬の寒さもそれ程嫌いではなかったが、この頃は体が付いていけなくなってきた。秋は秋色や静けさに老いの淋しさが重なるような気がして、心持ちが落ち着かなくなりつつある。そこへ行くと、春は穏やかで、ボンヤリとした春霞に包まれる気配がそこかしこに漂いピッタリだ。梅と桜、両花の花を見て、香りにありつける、それだけで本来は充分なのであるが、私の悪いクセの付加価値を求めてしまう。所謂、団子である。私にとっての団子は辛くもあり、少し痺れもする方のやつである。この変な楽しみが一層、春への思いを駆り立てるのである。また、春と言えば、球春の到来である。選抜高校野球に始まり、プロ野球リーグの開幕、加えて今年は3年に一度のWBCが我国でも開催されるということで相当な盛り上がりを見せている。その外の野外スポーツや各種のイベントも、3年前の形へと戻りつつあるとのことで、ワクワクムード一杯のシーズンとなりそうである。さらに季節は出会いと別れの場でもあり、多くの職場や学校で毎年写し出される光景である。改まって、私自身の辿ってきた齢道を思い起こしてみると、これまでにどれ程の出会いと別れがあったのであろう。あの時、此の時、あんな人、こんな人…。本当に多くの人と巡り会い、そしてサヨナラがあった。イガグリ頭の○○君。おさげ髪の○○さん、もう名前は思い出せなくとも、うっすらと面影が浮かび上がる。中には、たまに本当にたまに、ヒョッコリと夢枕に出てくる顔もあるんだよねー。今となってはお互い様的に消息不明で、現況を知る由もない人となっているが、人生とは不思議と言えば不思議なものである。まあ振り返ってみると、大方の人とは「一生一会」的な出会いだったようにも思える。ついつい、私事の方への思いが高ぶり、戯言を印してしまったが、肝心要の当方の「春」について触れる。
 永年にわたり入居者の診療に誠心誠意をもって、多大なるご尽力を戴いた田中先生がこのたび、ご事情により、現職を辞されることになりました。先生にはトータス2代目嘱託医として、15年間の長きにわたりお世話になりました。看護師はもとより、職員一同心より感謝申し上げます。先生とお会い出来なくなるのは淋しい限りですがせめて今後のご多幸と一層のご活躍を祈念させて頂きたいと思います。そして、田中先生の後を引継いでいただく先生には、現在、永野病院の院長職にあります三井先生にお願い致しましたところ、院長として多忙な中にも拘らず、つい先日快諾を得たところであります。先生には入居者の医療面全般をはじめとして、多方面に亘りご指導ご鞭撻をお願い出来ればと考えております。次いで職員の入退職動向であるが、何名かの現場職にある人達から転機を求めて新たな道へ進みたいとの申し入れがあった。どなたもトータスの歴史に1ページを割いて戴いた方々であり、これまでの貢献に感謝しつつ、エールの念を持って送り出したい。その反面と言っては誠に恐縮であるが、ここ数年来なかった朗報がある。このところ久しく途絶えていたバリバリの新卒者の入職である。それも一度に3名もの戦力が加わることになる。何とも頼もしい限りであり、もう期待の一言である。
 結びの段として、運営、経営面についても少し触れてみたいと思います。まず、感染の度合いについてどうであったかという点ですが、この3年間において、クラスターという程の集団感染は一度も発生しなかった。市内の同類施設においては、可成りの施設で大規模クラスターが発生しましたが、幸いにもそのような事態にはならなかった。顧みますと、これも運否天賦に恵まれたとは言え、ご家族様をはじめ、関係者、そして職員の幾重ものの協力によるものと思っております。唯、クラスターとはいかないまでのものは一度発生しまして、それまでに模擬的な訓練も試みてはいたのですが、いざという中では、それなりの動揺があったのも事実です。いずれにしましても、この3年間はコロナ対応、対策に終始振り回されたというのが、苦々しい実感であります。前述のとおり直接的な影響は少なかった方だったと思いますが、感染を最小限に抑えるための防御に徹したあまり、経営という点では相当の打撃を受けております。特に本年度は3年間のシワ寄せが来たようで、収支を見た時それが顕著に表れております。結果として、色々と反省の点もあろうかと思いますが、ここへ来てコロナの方も漸く鎮静化しつつあるようですので、新年度に向って、利用者皆様の笑顔が数多く見られますよう、春の訪れの中でその準備をしてまいりたいと思う今日この頃です。

特別養護老人ホームトータス
施設長 齋藤 武

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