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クレイン・トータス新聞

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ふる里は近くにありて

2026-02-01
新聞
ふる里の新雪に月光 2026 年1 月富士台で
 詩人、小説家の室生犀星(1889~1962)の詩集「小景異情」の有名な一節「ふるさとは遠きにありて思うものそして悲しくうたうもの」があります。
 室生犀星研究者の一人葉山修平さん(1930~2016)は市原高校出身で、直木賞候補になりました。高校の先輩である葉山さんとは高橋甲子男さんを通して知り合い、銀座を呑み歩き親しくさせていただきました。
 1996年に自費出版した「ふる里は近くにありて」(近代文芸社)はこんなご縁と、まちづくりに関係しています。
 本紙1月号で、ふる里づくりは長期にわたるまちづくりと述べました。そしてふる里は魂が帰れるところとも述べました。
 私の人生の場は、大半が市原市です。東京、北海道で4年間、千葉市で3年半程過ごしましたが海亀のように市原市に戻って生きています。

芸術のパワー
 幼い頃、病弱で精神的にも不安定だった私に絵をすすめてくれたのが父親です。その面ではやや早熟だったのでしょうか。いろいろな公募展で受賞しました。14才から30才まで、旺盛な制作意欲で150点余りの作品が生まれました。
 1970年、大阪万博の象徴になった岡本太郎の「太陽の塔」のように絵画は額縁を飛び出して、身体や環境を表現する大規模化と大衆性を強めました。私は自己に沈潜する制作態度で細々と続けていました。私にとって制作とは考え方、生き方と密接で心の在り処を探求しています。今でも一貫しているものです。
 30才で結婚し、子供ができると商売の道に進み、制作は止めました。教職を離れて実社会の中で生きて3~4年、何か満たされない日々に素敵な出逢いがありました。1冊の書物、田村明著「まちづくりの発想」です。生き方と芸術の一致を見たのです。以来、まちづくり意識は熱を帯び、1986年11月環境総合芸術〝風景を巡るパフォーマンス「サティ列車で行こう」〟の誕生になります。

小湊鐡道はふる里の音
 ガタンゴトン…鉄道沿線に響くこの音を、大正の時代から何十万、何百万の人々が聞いたことでしょう。高下駄のカランコロンは聞こえなくなりましたが、ガタンゴトンは今日も生きています。
 ふる里の音に、エリック・サティの曲をのせました。列車が五井から養老渓谷まで走りました。グランドピアノを乗せた1号車から4号車まで、車輛内外の拡声器から、田園と中山間地に生のサティが流れました。

サティ列車からの派生
 芸術家と市民の協働作業で市原市のまちづくりがはじまったのです。市原市都市計画課にはじめて〝まちづくり支援係〟が出来ました。サッカージェフ市原の誕生にも貢献しました。この流れから高滝ダム湖に「水と彫刻の丘」(現在湖畔美術館)が生まれ、市内でまちづくりの活動を続けている22の個体が一つになって「市原ふる里協議会」が設立されました。
 市原市人口の2/3は、コンビナート誕生によって住まわれた方が多数です。ふる里協議会のメンバーの多くがこの方々です。老後を考えている方もいて、将来への不安が感じられました。市原市民になりきれていなかったのかもしれません。ジェフの誘致もここに関係しています。」
 1990年10月、メンバーで集めた資料をもとにして「首都圏のふるさと」構想を、「TheまちづくりView」(1990‐VOL10第一法規)に発表、市の将来展望を描きました。
 自然と人工が調和する所であり、ゴルフ場と共に、子どもの夢を育める高滝ダム湖の開発です。圏央道鶴舞バスターミナルの開通を見込んだ、子どもが楽しみ学べる新しい空間の創造。(詳しくは拙書「ふる里は近くにありて」を)。
 自然と人工の調和とは、ダム湖の水、湖面をわたる風、光の反射を受け止めて反応し、新しい動きをつくり出す造形です。大きい改修でこのコンセプトは消えてしまいました。

美と健康の回廊
 1999年、高滝から鶴舞へ大きく舵を切り協議会のメンバー、教え子、友人たちの力によって介護老人保健施設クレインが鶴舞にできました。7年後、特別養護老人ホームトータスができ、間もなくデイサービスセンター鶴舞温泉げんき館・のんき館がオープンしました。隣接する千葉県循環器病センターと並んで、鶴舞は、医療、介護、福祉施設が集積するところになりました。
 げんき館に隣接して、市原市地域包括支援センターと居宅介護支援事業所があり、街中に住民が集う軽食と喫茶のホープラザがあります。ホープラザと地域包括支援センターには、将来に向けて公衆トイレを設えてあります。
 安心と生き甲斐はまちづくりと施設の理念です。この具現化の一つが「美と健康の回廊」。以下回廊について簡略に述べます。
 鶴舞駅から社会福祉法人老健クレインと特養トータスへ向かいます。急な坂道を上り切ると間もなくトイレと水があります。体
調に変化があったらトイレのそばの支援センターへどうぞ。多様な相談に応じています。
施設から城下の名残りのある路地をゆっくり10分程でホープラザがあり、一休み後4、5分のところに西山庭園画廊があります。(4月5日(日)から5月31日(日)まで、霜崎實個展)
もう一方、市原市副都心牛久駅から「米沢の森」へのコースがあります。健脚の人は内田の「内田未来楽校」を訪れると、ふる里を次代に伝えてゆこうとする熱い思いに出逢います。更に足を伸ばして笠森観音経由で鶴舞に至ることができます。
 石庭と眺望の西山庭園で一休みされたらあいおい坂を下って「市原ぞうの国」に向います。そこから10分程下って行くと前方に湖の光が見え、十字路を左折するとすぐ右側にボート乗り場、橋を渡ると湖畔美術館です。企画展を観たら湖に向って、水車展望塔や湖上の造形を楽しんで下さい。ここからは10分程で橋を渡り終えると県社髙瀧神社があり、神社裏側の山の麓が高滝駅です。
 現在西山庭園にタイガー立石の絵本原画常設館を計画中です。これが実現できれば「美と健康の回廊」が望ましい形で完成します。関心のある方はホープラザ(0436(88)4001)までご連絡下さい。
 この回廊は奥の養老渓谷まで伸びて行きます。
35年前の思い―子供たちの楽しみと学びの空間をこれからも求め続けて行きます。

鶴心会理事長 三好 敏弘
社会福祉法人鶴心会
〒290-0512
千葉県市原市鶴舞559-1
TEL.0436-50-6161
FAX.0436-88-4010
・特別養護老人ホームトータス
・トータスデイサービスセンター
・デイサービスセンター鶴舞温泉げんき館
・トータス訪問介護ステーション
・市原市地域包括支援センター・トータス

〒290-0511
千葉県市原市石川1078
TEL.0436-88-4500
FAX.0436-88-4002
・介護老人保健施設クレイン
・クレイン通所リハビリテーション
・クレイン訪問リハビリテーション
・鶴舞訪問看護ステーション
・トータス居宅介護支援事業所
 
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